Description
昭和の初めのスイスアルプス名峰登山の状況が生き生きと描かれた登山愛好家必読の随筆。
多くの日本の有名登山家がスイスアルプスに挑んだ中で登山家ではない当時は無名の化学研究生がスイスの幾つかの山小屋にドイツ語で足跡を記録していた、
昭和の初めは日本の有名な登山家がスイスアルプスに挑どんだ良き時代であった。そんな昭和ロマンチズムの時代に著者は登山家ではなく東京帝国大学工学部を卒業し日本の化学工業の先達としてドイツカイザーウイルヘルム研究所で研究に勤しんでいた。勉学の傍らスイスアルプスに登山を行い名峰の肩の山小屋にドイツ語で日本人としての足跡を記録していた。
自分が使用した有名な名匠シェンクの手作りである秘蔵のピッケルを後世のために虎ノ門のスイス大使館付属の山岳博物館の寄贈されたシーンは圧巻である。
晩年になり若き日の素晴らしかった登山の感慨に浸れる人は幸せである。
表紙はマッターホルン頂上
昭和の初め青雲の志を抱いて欧州に遊学した若者のスイスアルプス登山の思い出の記
この著はガイドブックではないが、読むと登山愛好家は誰もがスイスアルプスの名峰に登りたくなる。
著者(和田野基氏)はよきガイドとザイルで結ばれた喜びを教えてくれている。
初版 平成4年 中央公論事業出版
著者 和田野 基 (明治39年朝鮮総督府釜山市 生)
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